司法講座第5回「刑事司法における弁護人の役割」

 2010年10月15日,立命館慶祥高校「司法講座」第5回講義「刑事司法における弁護人の役割」が実施されました。

 司法講座第5回は吉田弁護士が「刑事法」をテーマに実施することを予告していましたが,吉田弁護士は今回「刑事司法における弁護人の役割」ということで,まさに私たちの仕事にかかわる問題を取り上げてくれました。

 前半の50分は,「弁護士の仕事はどのようなものか」について学生にも問いかけをしながら説明し,その後は「刑事手続の概要と弁護士の仕事」についての説明がなされました。

 後半の50分は,捜査の段階における弁護人の活動,公判(裁判)の場面における弁護人の活動について理解をいただいたことを前提に(実際には時間不足のため具体的な弁護人の活動場面のイメージがつかみにくかったでしょうか…),事例問題に基づくグループディスカッションです。

 事例はロースクールの「法曹倫理」などでも学習の題材となるようなものですが,事例1は被疑者が「本当は自分は犯罪をしているが,証拠はないはずなので無罪の弁護をして欲しい」という場合,事例2は被疑者が「本当は自分は無罪であるが,早く出たいので罪を認めて良いか」と弁護人に尋ねた場合で,弁護人はどのように弁護を進めるべきかというものです。

 学生のみなさんには,弁護人の具体的な弁護活動の場面がイメージし辛かったためか,最初は事例の問題点を捉えることが難しそうな様子でしたが,各グループへの弁護士講師からのアドバイスにより,問題点を的確に把握して,その後はグループで熱心な議論が行われました。

 上記のような各事例は実際の弁護人にとっても大変悩ましいものですが,学生たちは弁護人の役割を十分に理解し,「理由」を付した上で弁護人のとるべき行動について語ってくれました。発表を聞いた弁護士が大きくうなづくような説得的な意見も出されました。

 これまでの司法講座や札幌弁護士会のジュニアロースクールでも,刑事司法においける弁護人の役割を正面から取り上げた授業はありませんでした。今回の授業は,刑事弁護に関する法教育授業の良い例になるのではないかと思いました。

 いよいよ次回は司法講座最終回の模擬裁判です。せっかく教室も良い雰囲気となってきてあと1回しか授業がないというのは残念ですが,次回もまた白熱する授業にしたいと思いますので,よろしくお願いします。