2010年度「現代社会と法」講義開始。

 遅くなりましたが,北星学園大学短期大学部の2010年度の「現代社会と法」が9月30日から開講しました。今年度の受講生のみなさま,来年1月までどうぞよろしくお願い致します。

 この「現代社会と法」の講義は,法律実務に関わっている弁護士が講師を担当していることから,教科書に書かれているような法律の知識を学ぶのではなく,実際の社会生活における法や裁判のあり方を学ぶことを中心としています。そのため,毎回の講義では,具体的な問題を取り上げて,それについてのみなさんの意見・感想を提出してもらっています。

 前回は刑事事件における「罪の重さ」について事例を使って考えてもらいましたが,A)酒に酔って口論の上で殺人を犯した(が,遺族には賠償金も支払われており遺族は被告人を許している)という事例,B)病気の息子の将来を案じて心中を図ったが自分は死にきれなかったという2つの事例で,全体の傾向からすると事例Aの罪の方が思いという意見が多数でしたが,事例Bの方をより重くした意見が少なからず見られたのが興味深いところでした。

 おそらく法律実務家の多くは事例Aの方が重いと判断するのではないかと思いますが,事例Bの方がより重いとする見方や考え方も十分に成り立ち得るのだと思います。このように法律専門家の感覚と非専門家の感覚が異なる場合には,専門家の考え方を当然に「正解」であると受け止めるのではなく,考え方に違いのある点について,お互いにじっくり話し合い検討することが重要であると思います(この講義の時間内ではそこまで突っ込んだ検討はできませんが…)。

 法や裁判について,みなさん自身の考え方・見方を持ってもらうことに重点を置いた講義としたいと思っていますので,これからも積極的に意見表明をしてもらうようお願いします。