法教育:札幌市立高等学校職業体験学習・模擬裁判

 2010年8月25日と9月1日の両日,札幌市立高等学校職場体験学習で「裁判傍聴・模擬裁判プログラム」を選択した高校生の皆さんに,札幌市資料館の模擬法廷で模擬裁判を体験してもらいました。参加していただきました皆さん,お疲れ様でした。

 札幌市立高等学校職場体験学習とは,札幌市の教育委員会で平成15年度から市立高等学校共通の取組みで行っている進路探究学習で,様々な業種の事業所等で就業体験,職場体験学習,企業講話等を行うという事業のようです。

 その体験学習のプログラムの一つとして「裁判傍聴・模擬裁判プログラム」があります。このプログラムでは,午前中は札幌地方裁判所で裁判傍聴を行い(裁判所が受け入れ),午後は札幌市資料館の模擬法廷を利用して,弁護士会のバックアップで模擬裁判体験をしてもらっています。今年は各回19名,合計38名の高校生の皆さんに模擬裁判を体験していただきました。

 模擬裁判プログラムで一番体験していただきたいところは,有罪か無罪かを議論するグループでの「評議」です。模擬裁判にはあらかじめ決まった正解はありません。「模擬」裁判だから正解がないのではなく,現実の裁判でも誰かが正解を知っているわけではありません。弁護士・検察官,そして裁判官も誰もが「正解」を知っているわけではありませんが,それでも「正しい」判断を目指して刑事裁判は行われるのです。

 それでは刑事裁判における「正しい」判断とは何でしょうか? このことを2回の模擬裁判の解説・講評のなかで少し考えてもらいました。

  • 「正しい」判断というのは,現実に起こった「真実」を追及しそれをそのまま映し出すことなのでしょうか?(そうだとすれば,例えば「100%当たるウソ発見器」が完成したら「正しい」裁判をするために役立つでしょうか?)
  •  それとも裁判官・裁判員の全員一致で合意され,あるいは多数決によって可決された判断が「正しい」判断であるということになるのでしょうか?
  •  あるいは「正しい」判断とはもっと別のことなのでしょうか?

 そのようなところに興味を持って「悩んで」もらえたならば私としてはうれしく思います(「職業体験学習」ということで,弁護士としては,刑事裁判における弁護人の役割などについてももっとお話をすべきだったのかもしれませんが…)。

 さて,当日も宣伝いたしましたが,今回の職業体験学習で模擬裁判や法的な考え方に興味を持った皆さんは,ぜひ2010年12月19日(日曜日)に開催予定の札幌弁護士会の法教育イベント「ジュニア・ロースクール札幌」にもご参加下さい!