書籍:マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』

 講義でも何度か言及していますが,マイケル・サンデル教授の政治哲学入門講義「Justice」の書籍版の邦訳『これからの「正義」の話をしよう--いまを生き延びるための哲学』はオススメです。

 法の学習においては,法や制度の基礎にある理念や価値について学ぶことが重要ですが,その上で古代から現代に至るまでの政治哲学の考え方を学ぶことが重要であることはいうまでもありません。

 本書でサンデル教授は,はげしい意見の対立があるような現代の具体的な問題を例に取り上げて,わかりやすく,また,おもしろく政治哲学の考え方を教えてくれます。

 

 なお,現代の政治哲学において論じられる「正義」とは,通常,個々人のプライベートな生き方の正しさではなく,法や社会制度が備えるべき徳目のことですから,邦訳の「いまを生き延びるための哲学」というサブタイトルは少しミスリーディングであるような気がします。

 本書の内容はまさに「法や社会制度はどうあるべきか?」「正義に適った法や社会制度とはどのようなものか?」を問うものですから,法を学習する学生のみなさんにぜひ読んで頂きたいと思います。